⑴ ス ト レ ス


 ストレスとは本来、力によって物体に生じるゆがみを意味します。これを医学に応用し、身体に外から加えられる刺激をストレッサー、そして体に生じたひずみをストレスと言います。仕事が忙しい、家族が病気など、嫌なことや心配事がストレスの原因となるのは当然です。しかし結婚、妊娠、出産、子供の進学、職場での昇級など、本来うれしい事も、場合によってはストレスの原因となります。

 人間が人間である限り、心の問題は常に付きまとい、避けて生きることは非常に難しいものです。

 漢方と出会う以前、若い頃の自分にも実は、世の中の苦しみを一身に背負ってでもいるかのような、苦悶の時代がありました。

 ストレス社会を生き抜く我々現代人の心の問題を考える時、漢方薬は確かに強い味方となります。イライラや悩みが積み重なれば、いずれ自律神経失調症心身症などのような症状が出てきます。こんな時でも漢方で

「心の免疫力」を養っておければ、日常レベルの些細な感情をうまくコントロールできます。

 

私自身も漢方薬と生活養生を体得し、今ではストレスと随分上手に付き合えるようになりました。漢方に心身一如という発想がありますが、人は不思議と体に余裕が生まれると、心まで「まっ、どうにかなるさ」とスッキリ割り切れるようになるものです。

 皆様にとって漢方との出会いが、長くて暗い心のトンネルから抜け出す大きな一歩となれば幸いです。

 

 

⑵ 不 眠


 心地よい睡眠は、一日の疲れを癒し、明日への活力を与えてくれます。しかし最近ではストレス、不規則な食習慣、高齢化等の影響からか「不眠」を訴える人が増えています。

 

数値や形で表しにくく、時には単なる気分的なものとして片付けられ、本人の辛さはあまり理解されていないようです。不眠は一般に心だけの問題として扱われがちですが、漢方では全身状態と密接な関係があると考えます。

 

現代医学でとかく見過ごされがちな「心と体の調和」を図る技術に関して、漢方には2千年以上にわたる経験の蓄積があります。精神安定剤や睡眠薬に頼り過ぎず、『 眠り易い 体質づくりを、漢方薬は中からじっくり応援します。一人でも多くの方が辛い不眠から解放されることを願っています。